こころと脳のサイエンス 03 (別冊日経サイエンス 178)

特集1は「災害時の行動と心理」
これ結構面白い内容でした。
今回の大震災で世界中で日本人は冷静で我慢強いとか色々言われてるけど、実はよく調べてみると日本人だけじゃなくて人間ってどこでも意外と冷静で相手を思いやる行動してるらしい。
俗説的に言われてる火事でパニック起こして逃げられなくて大量死した事件とかも、実はみんな的確な行動してたけど設計ミスで逃げられなかったとか。
逃げ遅れてもパニックになった形跡なく亡くなってるとか。
ニューオリンズの時も略奪がーとか言われたけど、あれも単に店員いねーし誰も救助にこないからとりあえず家族の食料確保しとかんとってのがあったらしい。
もちろんこれは略奪行為がなかった、パニックを起こさないってことじゃないけど、単に自分だけ助かりゃいいやってことじゃなくて他人を考えて行動してる人が結構いたってことね。
群衆パニックで殺気立ってみんなが相手を暴力的に押しのけて、みたいになりそうな状況でも誰かが整理役になったり意外と整然と行動できるんだってさ。
あとそういう思いやりが出る条件とか色々調べてたりする。
たとえば火事で逃げてる時に倒れて救助を求めてる人が同じサッカーチームのファンだと手を差し伸べる確率が上がるとかあるらしい。
それと似たように極限状況下だと同じ境遇にいるってのは、つまりは相手との共有体験になるわけで、それがそのまま相手との距離感を縮める効果になるのかな。



特集2は「つながる記憶、癒やす記憶」
ということで記憶関連特集。
拾い読みで気になるトピックスだけ読んだ。


・プレッシャーに打ち勝つ方法とか、講演とか発表でパニクる人の話。
事前準備をきっちりできる人ほど不意の事態にパニクっちゃうとか。
そういう準備段階で容量使い切っちゃうと、突発的な事態に対処しにくいらしい。
練習段階でプレッシャーかけたり、人前でリハーサルしとくといいとか。



・脳を調べて嘘をみやぶる
嘘ついた時の脳を観察して嘘発見できねーかなって実験


・死後の世界について
死についての考え方とか自分が死んだ時にその状態を(自分自身は)ど捉えるのか。
死んだら終わりってのはどうなんだろ、実は(まだ見えてないだけで)その先になんかあったりするのかもみたいな。
宗教、哲学方面にも膨らむ話。
死後世界の捉え方には幼少期の周辺環境が影響するとか。